イギリス英語の中で最も特徴ある英語:コックニーライミングスラング
英語という言語は俗語、スラング、イディオムが豊富な言語だと言われています。そして英語圏の国々は頻繁に新しいスラングを生み出してシェアする文化があります。
新しい英語の単語は映画やテレビ、インターネットを通して直ぐに英語圏の国々にシェアされていきます。しかし英語圏の中でもイギリス英語は特に変わった特徴があるんです。
その変わった特徴を持つイギリス英語の中でも、最も特徴的だと思われているのがコックニー・ライミング・スラングという言葉です。
この”コックニー・ライミング・スラング”という俗語(の種類)は他の英語圏の国では滅多に使われません。
コックニーとは?
イギリスにおいてコックニーという人達は東ロンドンの労働階級者の人を指しています。伝統的にみてコックニーと呼ばれている人達は「セント・メアリー・レ・ボー」という教会周辺で生まれた人達です。
そしてコックニーは自分達独自のアクセントを使って特徴的な話し方をします。ライミング・スラングは東ロンドンの労働者達の話し方から生まれました。
ライミング・スラングとは?
「ライミング」という英語は日本語の「韻」に相当します。「スラング」は俗語という意味になります。
ライミング・スラングを理論的に説明する事はかなり難しいので例を使って説明していきたいと思います。例えば、ライミング・スラングではよくこのような表現を度々使います。
たとえば、「Use your loaf」 (頭を使ってください!よく考えろよ!)という表現があります。しかし何故、head(頭)ではなく、loaf(食パンの形)と言うのでしょうか?
まず、head(頭)という単語は、韻を踏む表現のloaf of bread(食パン)に変換されています。そして、Use your loaf of breadは長くて言いにくいので、さらに省略されて、「head」→「loaf」になっていったようです。
複雑だと感じている方が多いと思いますが、実はこういった表現はよく使われています。コックニー・ライミング・スラングの詳細な歴史は不明ですが、わかっている限りの歴史では19世紀の後半から使われているようです。
そして、それは他人に秘密話を聞かれない為に、内緒で話をしたい人々の間で始まったようです。例えば、警察の前で秘密の話をしたい犯人や、お客さんの前で聞かれたくない値段の話をしたい市場の商人から始まった事が起源とされています。
しかし、このコックニー・ライミング・スラングは昔の話に限った事ではなく、現在でも多くのイギリス人に使われているスラングです。
現在のイギリス人が話す日常の会話中でも使われますし、イギリス映画やドラマ、小説に度々出てきます。ですからイギリス英語・イギリス人の話す会話を完璧に理解されたい方は、以下に紹介するライミング・スラングを覚えて下さい^^
日常会話でよく使われるコックニー・ライミング・スラング TOP5
- have a butcher’s = to have a look (look→butcher’s hook→butcher’s) (何かを見る)
- me old china = me old mate (mate→china plate→china) (私の仲の良い友達)
- I haven’t a scooby = I haven’t a clue (clue→scooby doo→scooby) (全く分からない)
- Would you adam-and-eve it!? = would you believe it?! (believe→Adam and Eve) (信じられない!)
- You’re having a bubble! = You’re having a laugh! (laugh→bubble bath→bubble) (冗談でしょう!)
ライミング・スラングが使われる映画「Lock, Stock and Two Smoking Barrels」
この映画はロンドンのギャングスター映画です。ライミング・スラングは会話中で普通に使用されています。あるシーンにおいては、ライミング・スラングが多すぎて英語の字幕が出るくらいです(笑)
ライミング・スラングが使われる映画「Snatch(スナッチ)」
上記のRock, Stockと同じ監督の作品です。各キャラクターがライミング・スラングをよく使います。
ライミング・スラングが使われる映画「The Italian Job」
マイケル・ケインというイギリス人俳優の出演する映画です。
ライミング・スラングが使われる映画「Gold member (Austin Powers)」
この映画はジェームズ・ボンドで御馴染みの007のパロディーです。スーパースパイのAustin Powersはコックニー・ライミング・スラングをよく使います。
ライミング・スラングが使われる映画「Eastenders」
これはイギリスの国内で最も人気がある連続ドラマです。ロンドンの東エリア(East End)が舞台。毎日見るとうつ病になるかもしれないくらい(笑)。ある意味中毒性の高い映画です^^
東ロンドンの人々の話し方やライフスタイルが理解出来るドラマですね。コックニースラングを理解したい方にお勧めの作品です。
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