発音記号は覚える必要がある? 発音記号の読み方、覚え方、使い方を徹底解説
まず「国際音声記号」とは、世界中の言語学者や語学の教師、語学の研究者や翻訳者によって使われている発音記号になります。
英語の発音記号は日本人向けの英語教材や英語辞書に掲載されていますが、実際に読める英語学習者は意外に少ないと思います。
また、発音記号の読み方を覚えた方が良いのかどうかを迷っている英語学習者の方はかなりいると思います。そこで、今回の記事では、英語の発音記号を覚えるとどんなメリットがあるのか?
そして、発音記号を覚える必要がない理由についても触れながら、発音記号の覚え方と使い方についても紹介してみたいと思います。
英語の発音記号を覚えれば英語の全ての音素を表現出来る
実は英語の発音記号の読み方を覚えると、「英単語の発音が分かる」という単純なメリットがあります。英語のアルファベットには26字の文字がありますが、44個の音素があります。
その為、他の言語と違って単語のスペルだけでは単語の発音が分かりません。例えば、「c」という文字は単語によって「s」と同じ発音をする場合があります。そして「k」と同じ発音をする場合もあります。
ですから、英語は単語を読むだけでは、発音が分からない場合が多いです。しかし、発音記号は英語の44個の音素を全て表しています。
以上の事から発音記号の読み方をマスターすれば辞書で英単語を調べた際に発音記号を読んで単語の発音も同時に理解出来るはずです。
発音記号を覚えると他の言語を勉強する際に役立つ
もう一つのメリットとしては、国際発音記号は英語だけではなく、他の言語を覚える際にもとても役に立ちます。
実は、どの言語の発音・音素でも国際発音記号で表せますので、発音記号を知っていると役に立つツールになります。例えば、フランス語も英語と同じようにスペルと発音にかなりの差があります。
フランス語は英語圏の人にも読みにくい言語ですが、発音記号の読み方を覚えると正しいフランス語の発音を理解出来るはずです。
発音記号を覚えると英語の発音が上手になる
英語の音素の微妙な違いは、多くの日本人の英語学習者にとってかなり区別しにくいと思います。例えば、英語学習者の中には「r」と「l」が上手に区別できない人が多いと思います。
そして「a」と「u」の発音が同じだと思っている人も多いでしょう。しかし、発音記号の読み方を知っていると、似た音素を区別出来るようになりますし、発音も上手に出来るようになります。
ですから、発音記号を知っていると、自分の英語のリスニング力とスピーキング力が自然と上がると思います。
それでは、次に「英語の発音記号を覚える必要がない理由」について書いてみたいと思います。
英語の発音記号を覚える為に時間がかかる
英語の発音記号を覚えるデメリットの一つの中に「とても時間がかかる」という事があげらると思います。英語には44個の音素がありますが、その中に「100字以上の国際発音記号」があります。
もちろん、全て覚える必要はありませんが、英語の44字の記号の読み方と正しい発音を覚えるにはかなりの時間が掛かってしまいます。
忙しい社会人の方は、その時間を使えばもっと効率的に英語の勉強を進める事が出来ると思います。英語を習得するには、発音記号を覚えるよりも、他に大切な情報があると思います。
実は英語ネイティブも発音記号を知らない人が多い
ここで、ビックリするような情報を紹介しますが、実は英語ネイティブは学校の授業の中で発音記号を覚えません。英語ネイティブの子供は単語の読み方を覚えるには「phonics(フォニックス)」という学習テクニックを使います。
「Phonics」では、先に英語の母音と子音の中で最もよく使われる発音の読み方を覚えます。そして、その後にそれ以外の発音の例外を覚えていきます。
英語ネイティブの子供は単語の読み方を覚える際、もう既に英単語の意味と発音を理解していますので、非英語圏の外国人の英語勉強法とは違った勉強法が必要になります。
とにかく、英語ネイティブの人達は発音記号を覚えていませんので、英語ネイティブに単語の読み方・発音を聞く際には、発音記号で教えてもらう事はありません。
英語の発音記号はオンライン辞書で確認出来る
最近、インターネットのおかげで発音記号を覚える必要が少しづつなくなっています。もし英単語の発音が分からなかった場合、オンライン辞書やアプリを使えば、その単語の発音をチェックする事が出来ます。
例えば、以下のオンライン辞書を使うと英単語のイギリス英語とアメリカ英語の発音を聞き比べる事が可能です。
英語の発音記号の読み方
私の意見では、ある程度は発音記号の読み方を覚えておいた方が良いと思っています。
だからといって、発音記号の書き方を覚える必要はありませんが、英語の44個の音素を表す記号の読み方を知っていると役に立つと思います。
以下のリンク先をみると、英語の44個の音素を表す表を見る事が出来ます。それぞれの記号をクリックすると、発音を聞く事が出来ます。
上記の発音の見本(リンク先)をご確認頂いたと思いますが、さらに詳しい説明をしてみたいと思います。
実は英語の44個の音素は「3つの種類」に分類されています。
その三つの種類とは:
- 子音:(24個)
- 母音:(12個)
- 二重母音:(8個)
それでは、各音素の種類を紹介していきます。
発音記号の子音
先ずは、こちらの16個の記号はアルファベットと同じ発音をします。
- /b/ batのBと同じ発音
- /d/ dogのDと同じ発音
- /f/ fishのFと同じ発音
- /g/ bagのGと同じ発音
- /h/ handのHと同じ発音
- /k/ capのCと同じ発音
- /l/ logのLと同じ発音
- /m/ manのMと同じ発音
- /n/ rainのNと同じ発音
- /p/ soupのPと同じ発音
- /r/ writeのRと同じ発音
- /s/ mouseのSと同じ発音
- /t/ lightのTと同じ発音
- /v/ vanのVと同じ発音
- /w/ whaleのWと同じ発音
- /z/ zebraのZと同じ発音
上記のリスト以外にも /j/ という記号が使われていますが、この記号の「ジェイ」という発音は、アルファベットの「J(ジェイ)」という音にはなりません。
発音記号の/j/は英語の「Y」という発音になります。つまり、yesの「Y」(=「イェ」)と同じ音になります。
次に紹介する記号はアルファベットの文字では出てきません。英語の子音を表すユニークな記号で音素を表す記号です。
子音を表すユニークな記号
- /ŋ/ kingのngと同じ発音
- /θ/ thumbのthと同じ発音
- /ð/ motherのthと同じ発音
- /ʃ/ shoeのshと同じ発音
- /ʒ/ televisionのsiと同じ発音
- /tʃ/ cheeseのchと同じ発音
- /dʒ/ jetのjと同じ発音
そして、上記のリスト以外にも /ʔ/ という記号が使われています。これはglottal stop(声門閉鎖)を表す記号です。
発音記号の母音
先ずは「単母音」を紹介します。
- /i:/ seaのeaと同じ発音
- /I/ swimのiと同じ発音
- /e/ bedのeと同じ発音
- /æ/ catのaと同じ発音
- /a:/ carのaと同じ発音
- /ʌ/ cupのuと同じ発音
- /ɔ/ lockのoと同じ発音
- /ɔ:/ ballのaと同じ発音
- /ʊ/ bookのooと同じ発音
- /u:/ twoのoと同じ発音
- /ɜ:/ shirtのiと同じ発音
- /ə/ fatherのerと同じ発音
次は「二重母音」を紹介します。
- /eɪ/ eightのeiと同じ発音
- /aɪ/ eyeと同じ発音
- /ɔɪ/ boyのoyと同じ発音
- /oʊ/ arrowのowと同じ発音
- /aʊ/ houseのouと同じ発音
- /eə/ chairのaiと同じ発音
- /ɪə/ deerのeeと同じ発音
- /ʊə/ touristのouと同じ発音
以上、英語の音素を表す記号を紹介しました。
イントネーションを表す記号
国際発音記号は音素の発音だけではく、イントネーションも表現出来ます。例えば /’/ という記号は単語のアクセントを表します。
また 「/ˈʧɪldrən/」 という記号は「children」という単語を表します。
アクセントは初めの部分につけますので「’」という記号が付いています。そして「/ˈælfəˌbɛt /(alphabet)」という単語の書き方で同じようにアクセントを表します。
発音記号の覚え方:まとめ
多くの発音記号はアルファベットと同じ書き方、そして発音になりますので、実際に覚えなければならない記号は「30個」くらいしかありません。
私の個人的なアドバイスとしては、以下のような参考サイトを使って各発音の違いをよく聞き比べて、その発音を真似しながら発音記号を覚える方法が良いと思います。
そして、もう既に発音を知っている単語は、辞書で調べて発音記号の書き方を確認してみて下さい。そういったやり方で発音記号の読み方を簡単に覚える事が出来るようになると思います。是非、挑戦してみて下さいね^^