オーストラリアで働く方は知っておくべきオーストラリア人のビジネス感覚
今まで、当サイトマスターランゲージでは、英語圏各国のネイティブスピーカー達(当サイトのライター)に質問して自国のカルチャーを中心に紹介してもらいました。
このシリーズが人気だった事もあり、今回は日本人の為の異文化教育・異文化理解シリーズとしてオーストラリアのビジネスカルチャーについて紹介してみたいと思います。
オーストラリアでは過剰な自己アピール、自慢する事はタブー
オーストラリア人は、ダイレクトで正直に話す事が好きですが、自分の学歴やプライベートな自慢、仕事関係の過剰な自己アピールを話す事はタブーになります。特に話を誇張したりすると同僚からも信用されませんし、嫌われる可能性もあるので「謙遜」するくらいが安全です。
オーストラリア人にとって「平等」というコンセプトは、とても大切ですので上下関係を考えずにみんなにリスペクトすれば問題ありません。これはイギリス人の価値観やイギリスでのビジネス感覚にとても似ていると思います。逆にアメリカのビジネス感覚とは正反対といっても良いと思います。
レイドバックに見えるが真面目なビジネスカルチャー
オーストラリア人の代表的な国民性としては、レイドバックな国民というイメージがあると思います。確かにオーストラリア社会、ビジネスシーンでも、人を楽しませる為のユーモアがよく使われますし、カジュアルな言葉遣いも許されます。
しかし、ビジネスとなれば他の国のビジネスマン同様に真面目に働きます。オーストラリアの正式なビジネスミーティングでは、ユーモアを使った様々なスモールトークで、ミーティングが始まるかもしれませんが、その後は直ぐに真面目なビジネストークになるでしょう。
ダイレクトな交渉や話し合いが最もリスペクトされる
日本のビジネスカルチャーはビジネスの交渉する際に婉曲的な言葉遣い、遠回しな表現をすると海外では有名です。遠回しな言い方や、控えめな言葉遣いは外国のビジネスシーンで分かりづらいと思われているようです。一般的に日本のビジネスシーンでは遠まわしでデリケートな表現を使いながら話し合いを進めていく事が多いと思います。
しかし、オーストラリアのビジネスシーンでは、そういった遠まわしな話し方は逆に怪しく見られるかもしれません。オーストラリア人はビジネスの現場においても正直にダイレクトな話をするので、日本人ビジネスマンの間接的な交渉スタイルは、どこか回避的なイメージを感じさせてしまう可能性があるでしょう。
オーストラリアでは名字よりも名前で呼ぶ事が普通
これはオーストラリア人の「平等」というコンセプトにも繋がると思いますが、オーストラリアのビジネスシーンでは、名字よりも名前で呼ぶ事が一般的です。名字を使うのであれば(”Please call me Mr. Tanaka”)、となり何か遠い関係になってしまうイメージがあるので(”Please call me Ichiro”)、と言えばスムーズな関係が作れると思います。
オーストラリアではビジネスエンターテインメントの習慣はない
アジアの国々では、新しい取引先やビジネスコンタクトを作る際、特別な飲み会やディナーなどのエンターテイメントに誘う事は度々行われている事だと思います。そして、その後徐々に良い関係が作られた場合、正式な取引先となる可能性があると思います。
しかし、オーストラリアのビジネスカルチャーではそういった習慣がありません。逆にプレゼントや特別なエンターテイメントを受けてしまうと、それは彼らにとって「賄賂」に近いイメージがあります。
ですから、もし取引先と特別な飲み会やディナーを行う際は正式な契約を結んだ後にエンターテイメントを行う方が普通です。そして、ビジネスディナーの会計は別々で払う場合が多いです。
オーストラリアの会社が取引先の場合や、オーストラリアが同僚で一緒にパブやバーに行くなら、「round」という習慣があります。このroundとは、みんな順番に他の人の飲み物を買いに行く習慣です(イギリスでもパブでお酒を飲む際にはこれと同じ習慣があります)。