皆さん、こんにちは。今回の記事では読者な方からいただいた質問に答えてみたいと思います。今回のテーマは「○○that wasn’t」という表現に関する話になります。
それでは、読者の方から頂いた質問を読んでいきましょう。実際に頂いた質問はこちらです。
読者の質問:
次に引用するのは4月22日付けのNew York Timesからです。
But Mr. Trump’s lawyer Todd Blanche sought to undercut the prosecution’s lofty rhetoric with a more innocuous distillation of the case, calling it a “business records violation” that wasn’t.Instead, he said, it was “just 34 pieces of paper.”
calling it a “business records violation” that wasn’t. の関係代名詞thatの用法について解説をお願いします。これはcalling it a “business records violation” that wasn’t a business records violationの最後を省略した形だと思います。つまり、「検察はa business records violationと言っているが、そうではなかった」という意味だと理解しますが、正しいですか。正しいとすればこのような使い方の例を挙げてください。
ご質問ありがとうございました。いつも当サイトをご覧頂きましてありがとうございます。確かにこれは疑問に思うトリッキーな文法ですね。まずは元の文章を翻訳ソフトで訳してみました。すると下記ような日本語が出てきました。
翻訳ソフトの内容:
しかし、トランプ氏の弁護士トッド・ブランシュ氏は、事件をより無害に抽出して検察の高尚なレトリックを弱めようとし、これは「業務記録違反」ではないと主張した。むしろ、それは「たったの34枚の紙」だった、と彼は語った。」
これを読むと何となく文章の全体的な意味を理解できるのではないかと思いますが、最初に「○○ that wasn’t」という独特な文法にクローズアップしてみたいと思います。
実はこの文法は、このNew York Timesの記事だけではなく、他のシーンでもライティング、ネイティブの会話でも使われる文章です。では実際にどんな感じで使われるのか実際の例を紹介していきます。
○○ that wasn’tの実際の例
The goal that wasn’t.
この表現はサッカーファンやサッカー記者によく使われます。この表現の意味は「ボールは実際にゴールに入ったが、審判が気づかないためカウントされなかった」という意味になります。他には「ghost goal」という表現もあります。
The goal that wasn’tは「The goal that wasn’t given/allowed」(=気づかれなかったゴール)という表現の省略ですね。下記のリンク先をみると実際の例文を見れるので興味があればご覧ください。
https://www.tottenhamhotspur.com/news-archive-1/gus-on-the-goal-that-wasnt
The win that wasn’t.
この表現はグレッグ・ノーマンというゴルフ選手についての記事で使用されていましたが、他にも例はあると思います。彼は1996年のマスターズというトーナメントで優勝したはずでしたが、最後の日のプレーはうまく行かず優勝を逃しました。
つまり「win」できなかったわけです。しかし、彼のスポーツマンシップはとても称賛され、その点ではファンたちの目からみるとwinということになりました。そのことから、「トーナメントで優勝できなかった優勝」という意味の見出しが書かれました。
Cooke, the Wife & the Marriage That Wasn’t
このストーリーはアメリカのWashington Postという新聞で読んだ記事です。Jack Kent CookeというアメフトチームのオーナーRedskinsは3年間半くらいMarlene Ramallo Chalmersという女性と結婚していました。
しかし、その奥さんは前の夫との離婚が法律上で成立していなかったそうです。そのため、自分たちの結婚が法律的に結婚ではかったのです。
そのため目出しでは「The marriage that wasn’t」という風に書かれました。つまり、「実際に結婚しなかった結婚生活」という意味の見出しになります。
○○that wasn’tのまとめ
この文法は主にライティングや会話で使われますが、少し変わった文法という事もあり、頻度としては時々使うという感じの文法です。意味としては「○○でなかった○○」という直訳になりますが、主に「みんな○○がそうだったけど、実際はそうじゃなかった」という少し曖昧な意味になります。
繰り返しますが、独特な文法なので英語圏の情報をインターネット上で探してもあまり情報はありません。しかし、時々新聞の見出しやニュース記事に出てくる文法パターンです。
他の質問があれば是非ご連絡くださいね。