ヒアリングとリスニング違いとそれぞれの意味、使い方をネイティブが徹底解説します!
私が日本の学校で英語を教えている時によく、カタカナ英単語(日本語)で「ヒアリング」と「リスニング」という言い方を耳にします。おそらくこれは、昔の日本の英語教育の影響もあると思います。
昔の日本の英語教育の中では、英語を聞き取りする事を「ヒアリング」と呼んでいた事が、現在の「hearing」(ヒアリング)と「listening」(リスニング)という単語を混同する原因になったのかもしれません。
特に近年「ヒアリング」と「リスニング」というカタカナ英単語は英語教材を売る為のキャッチコピーとしてもよく使われているので、この意味の違いを理解していない人もまだまだ多いと思います。
そこで今回は、hearingとlisteningの違い(ヒアリングとリスニングの違い)という英語の動詞の意味と、それぞれの使い方の違いについて例文を交えて詳しく紹介していきたいと思います。
hearingの意味と使い方、listeningとの違い
「hear」という単語は「聞く」という意味ですが、正式には「自然に聞こえてくる」、「耳にする」という日本語の方が最も近いニュアンスだと思います。
つまり、「勝手に聞こうとする」というわけではなく「自然と耳に聞こえてくる」といった状態です。そのため、「hear」は命令文の文章ではあまり使われません。
主に「can hear」(聞こえる)という文法パターンでよく使われる単語になります。「hear」の過去形と過去分詞は「heard」になります。ちなみに「hear」の発音は「ヒア」に近い音になります。
「hear/hearing」に関する単語はとても多いので、以下に合わせて紹介していきたいと思います。この機会に是非一緒に覚えてみて下さい。
hear、hearingに関連する英語表現
- hearing aid = 補聴器
- hearing impaired = 耳の不自由な(人)
- hearing impairment = 耳が不自由
- hearing test = 聴力検査
- hearing dog = 聴導犬
hear、hearingの使い方の例文:
I heard a voice from outside.
(私は外から声が聞こえました。)
I could hear him but I couldn’t see him.
(私は彼の声が聞こえましたが、姿は見えませんでした。)
I can’t hear anything.
(私は何も聞こえない。)
Can you hear me?
(私の声が聞こえますか?)
I heard some good news yesterday.
(私は昨日良い知らせを聞きました。)
そして「hearing」という単語は(英語教材とは関係なく!)「聴覚」という意味になります。
「聴力」という意味になる「hearing」の使い方の例文:
I’m hard of hearing.
(私は耳が遠いです。)
Her hearing is bad.
(彼女は耳が遠い。)
My grandfather wears a hearing aid.
(私のおじいさんは補聴器を使っています。)
listeningの意味と使い方、hearingとの違い
この「listen」という単語は「行為動詞」です。つまり、「自分から意思をもって聞こうとする」という意味です。そして、目的語と一緒に使うと「listen to ~」というパターンで使う必要があります。
そして、「listen」は色々な句動詞に出てくる単語です。例えば、「listen in」は「人の話を盗み聞きする」という意味になります。「listen up」は「よく聞く・真剣に聞く」という意味になります。これは主にアメリカ英語のスラングですが、他の英語圏の国でも通じます。
listen、listeningの使い方の例文:
Please listen to the teacher.
(先生の話を聞いてください。)
Listen carefully.
(ちゃんと聞いてください。)
Why aren’t you listening?!
(あなたはどうして聞いてくれないの?)
Listen!
(聞いて!)
She listened in on my phone calls!
彼女は私のプライベートの電話の話を勝手に盗み聞きしたよ!)
Hey, listen up. I’ve got something to tell you.
(ねえ、よく聞いて。私は言いたい事があるんだ。)
英語学習でよく使われる「リスニングとヒアリングの違い」について
日本で販売されている英語教材の中に「リスニング教材」や「ヒアリング教材」などの表現をよく目にしますが、実は両方とも同じ意味で同じような内容の教材です。
リスニング練習やヒアリング練習は両方とも「聞き取り」、「聞き取り力」を鍛える教材です。
英語での正しい言い方は「リスニング」ですが、英語教材を販売する為のマーケティングとしてキャッチーなタイトルをつける為に「ヒアリング」という表現を使う出版社が多いと思います。
つまり「リスニング」と「ヒアリング」は両方とも「聞く」という意味になりますが、英語ではニュアンスと使い方の違いがあります。
英語教材や英語学習に関して使うなら、正しい言い方は「listening」になります。例えば、「リスニングテスト」は英語で「listening test」になります。
「ヒアリングテスト」を英語として使うと「聴力検査」という意味になります(笑)。聴力検査何て言い方は変ですよね^^;
- listening test = リスニングテスト
- listening comprehension = 聴解力
- listening practice = リスニング練習
- hearing test = 聴力検査
hearingとlisteningの違いのまとめ
まとめると「listen」と「hear」は英語で微妙なニュアンスの違いがあります。「listen」は「意思をもって聞こうとする」という意味になります。
一方「hear」は「自然と耳にする(自然と意識せずに聞こえてくる)」という意味になります。そして、「hearing」という英単語は「聴力」という意味にもなりまる英単語です。以上になります。