ヒップホップの歌詞でよく使う ima、Imaというスラングはどういう意味? 使い方は?
この「Ima、imma」という言葉は最近インターネットでよく目にするようになりました。そして、ネイティブの日常会話にもよく出てきます。
音楽の中でも特に「ヒップホップや、ポップ音楽」を聞いていると、この表現がよく出てきますので、この機会に是非覚えてみて下さい。それでは、「ima」というスラングはどういう意味なのでしょうか?
ima、Ima、immaの意味や発音は?
まずは「ima」の発音についてみていきましょう。このスラングの発音は「アイマ」になりますが、もっとネイティブ風に早口で言うと「アマ」に近い発音になります。
これはスラングなので、正しいスペルは特に決まっていませんが、多くの場合「ima」や「Ima」というスペルになります。時々「imma」や「I’mma」などのバリエーションが使われます。
このスラングは「I’m going to」という表現の省略・短縮になります。「I’m going to」は「私は~をするつもりです」という意味になる文法表現です。この表現はよく「I’m gonna」という省略にもなりますが、「ima」の方がさらに短くて便利なスラングですね。
ima、Ima、immaの由来は?
残念ながらこのスラングの由来は不明なのですが、ルーツはアメリカ英語から来ています。そして、様々な言語学者達の研究によると、このスラングは元々アメリカの黒人英語の表現だったそうです。
この「黒人英語」とはアメリカのアフリカ系アメリカ人コミュニティーで進化してきた英語の方言です。この方言は元々アメリカの南部で出来た方言ですが、現在、アメリカ国中の労働者階級や中流階級の黒人達が使っています。
黒人英語は英語の標準語と比較すると様々な違いがあります。先ずはボキャブラリーの違いが多いです。そして、文法的な違いも多々あります。今回紹介する「Ima/ima」はそういった違いの一つです。
黒人英語では、「Ima」は「future immediate tense」という時制を表す文法パターンになります。「future immediate tense」は未来形という事になりますが、「すぐにやる事」を表現する未来形です。
ですので、「Ima + 動詞」というパターンは「これからすぐにやる事」といった意味の文法になります。「Ima」はスラングなので、まだ正式な英語辞書に載っていませんが、1980年代からヒップホップ・ラップ音楽の歌詞で使われていました。
例えば、N.W.A.というヒップホップグループは1988年に「Fuck the Police」という曲を作りました。その曲の中で「Ima kick your ass」という歌詞が使われています。
1988年からは「Ima ~」という表現がよくヒップホップの歌詞に出てきました。現在、黒人のラッパーだけではなく、色々なアメリカ人が「Ima」というスラングを使います。
もう一つ、音楽で使われている良い例として、アメリカのヒップホップグループ「Black Eyed Peas」の「Imma be」という曲です。この歌は全て「Imma」の文法に基づいています。
ima、Ima、immaの使い方は?
「ima/Ima/imma」を使う際には「ima + 動詞」というパターンを使う必要があります。これは元々の未来形である「I’m going to + 動詞」と同じです。
「Ima」は「I’m going to」の省略なので同じように使います。しかし、「I’m going to」は「近い未来」と「遠い未来」の両方表す文法になります。「Ima + 動詞」は「すぐにやる事」を表す文法パターンなので、その点で微妙にニュアンスが違います。
「ima/Ima/imma」の使い方 例文
Ima kick your ass.
(ぶっとばすぞ。)
※kick your assを直訳すると「お尻を蹴る」という意味になりますが、この表現は一般的に「ぶっとばす・殴る」という意味になります。
Ima get something to eat now.
(これから食べるよ。)
Ima go home.
(もう家に帰るよ。)
Ima go to bed.
(もう寝るよ。)
Ima cook dinner now.
(もう夕食を作るよ。)
Ima buy this one.
(これを買う。)
まとめ:「ima/Ima/imma」の意味と使い方
まとめると、「ima/Ima/imma」は全部「I’m going to」の省略です。しかし、「I’m going to」と違い「Ima」などは「すぐにやる事」という意味の文法になります。
この文法は元々、アメリカの黒人英語という種類の英語方言が由来になっていますが、現在では色々なアメリカ人が使っています。特にヒップホップやポップ音楽を聴くと、この文法はよく出てきます。
外国人の英語学習者がこの文法を英会話で使うと少し変な印象を与えますので、実際に使う事は避けた方が良いでしょう。しかし、最近よく耳にするスラングなので、意味とニュアンスだけは覚えておいた方が良いと思います。
他にももっとこんな英語のスラングが知りたい! あの海外のミュージシャンが使っているスラング、表現は何と言う意味? あの有名なラッパーが使っているリリックはどんな意味?といったような質問があれば、是非ご連絡くださいね!