英語圏の各国の言語の違いについて
日本語は、日本という一つの国でしか使われていない言語なので、「標準語」というコンセプトについては、比較的分かりやすいと思います。
日本語での「標準語」は、関東(東京)エリアの発音と言葉遣いだと思われていると思います。それに、他の地方の日本語は、「方言」や、「訛り」だという括りで考えられていると思います。
しかし英語の場合は、どうでしょうか?
英語は、多くの国の人達に使われている言語です。英語圏の国以外にもく、インドやシンガポール、香港などの国において、共通言語として英語は使われています。
各国の英語の発音は違いますし、ボキャブラリーの違いもあります。そういった理由から、「標準語」というコンセプトを考える上では、少し複雑になると思います。
アメリカ英語においての標準語
日本人は、中学校と高校では、アメリカ英語を勉強して、アメリカ英語の発音に慣れているので、他の国の英語の種類は「訛り」がある英語だと思ってしまうかもしれません。
日本の語学関係の掲示板などを見ていると、「オーストラリア英語の訛り」や、「アイルランド英語の訛り」などについて、多くの質問を見ますが、オーストラリア人に「あなたの英語は訛っているよ」と言えば、殴り合いになるかもしれません!(笑)
オーストラリア人の立場から見ると、自分達の英語は、「標準英語」で、他の国の英語は「訛っている」と思っています・・。やはり、自国の立場によって、「標準語」のコンセプトが異なると思います。
英語圏の国、各国には、しっかりと標準語に対するコンセプトがあります。
アメリカの場合を見れば、「標準語」は、General American English (GA)と呼ばれている。
このアクセントは、テレビのニュースやラジオ、映画に使われている一般的な標準語です。GAは、アメリカのミッドウェストで使われているアクセントに近いと言われています。勿論、多くのアクセントや方言もある。
イギリス英語においての標準語
イギリスの場合は、Received Pronunciation(RP)という発音が標準語と言われています。RPは、BBCのアナウンサーなどの人達に使われているので、高級なイメージがあります。
日常的にRPを話す人は比較的少ないでしょう。殆どの人は、自分のエリアの方言で話します。イギリスのRPは、ロンドンと南の方のアクセントに近いです。
他の英語圏の国でも、やはり標準語は存在しています。国内の地方エリアの話し方は、「訛り」だと思われており、そして立場によって、他の国の英語は「訛り」だと思っている人もいます。
イギリス人にとっては、GAは「アメリカ英語のアクセント」で、イギリスのリバプールの人達にとっては、RPは「高級アクセント」だと思われています。
やはり、世界中の人は、自分のアクセントは「普通」だと思っていますし、自分の話し方は、「アクセント」ではないと思っている人が多いでしょう。
日本人の英語学習者は、自分のウォンツとニーズを考えてから、英語の種類を選んで勉強するべきでしょう。アメリカのGAとイギリスのRPは、世界中で通じますが、もし海外に行ったり、留学、ワーキングホリデーを考えているのであればローカルのアクセントと話し方に慣れた方がいいと思います。
オーストラリアやニュージーランドに行けば、GAとRPは勿論通じるが、「あなたの英語はアメリカのアクセントで話すね!」、「あなたの英語は、イギリス英語のアクセントだね」と言われるかもしれませんね。