ハイフンが付くと意味が変わる句動詞
今回紹介する「hang up」は句動詞になります。そしてこの句動詞にはハイフン付きの「hang-up」という表現もあります。一見するとハイフンがある無しだけで全く同じように見えますが、実は言葉の意味と使い方は全く違います。
まず最初に「hang up」を意味と使い方を紹介する前に句動詞についてよくご存じない方もいらっしゃると思いますので、簡単に句動詞についてお話した後に「hang-up」との違いについて詳しく紹介していきます。
ネイティブが日常的によく使う「句動詞」って何?
「句動詞」とは英語の動詞の一種になります。一般的に句動詞は「動詞+前置詞・副詞」という組み合わせです。
多くの日本の英語学習者は句動詞の事をよく「イディオム」と呼びますが、ネイティブの僕の意見としては句動詞は「動詞の一種」として考えた方が良いと思います。
句動詞は英語ネイティブの会話で非常よく使われます。例えば「get up」(起きる)、「sit down」(座る)、「get along with」(仲良くなる)は全て句動詞のよい例です。
このような句動詞は日常英会話で必ず出てきます。句動詞はとても多く、とてもよく使われるので英語学習者は必ず覚えておくべき知識です。句動詞を覚える際には「動詞+前置詞・副詞」のセットで覚えた方が良いと思います。
多くの場合、句動詞の意味とその入っている動詞の意味は異なる場合が多いです。例えば、「get」という動詞は「もらう・取る」という意味になりますが、「get up」になると「起きる」という全く違う意味になります。
以上のように句動詞は英語学習者にとっても扱いにくく、覚えづらいイメージがありますが、勉強する際には「文脈で覚える」ようにする事がポイントです。
文脈で覚える方法とは、例えば「例文やダイアログを使って覚える」という方法です。こうする事によって句動詞の意味が自然に覚えられるようになると思います。
それでは、本題に戻ります「hang upとhang-upの違い」、それぞれの意味と使い方を見ていきましょう。
「電話を切る」という意味になる「hang up」の使い方
「hang」という動詞は元々「掛ける」や「垂れ下がる」という意味になりますが、「hang up」という句動詞にすると、様々な意味があります。
先ず「hang up」の意味として最もよく使うのが「電話を切る」という意味です。この句動詞の由来は「昔の電話送受器の使い方」が由来になっていると思います。
昔の電話の送受器は電話が終わった後に元の場所に掛けて戻しました。そのことから「電話を切る」が「hang up」という言い方になりました。
現在、スマホなどの電話の方が一般的ですので、電話を切る際に「送受器を掛ける」というような動作は想像出来ませんが、現在でもこの名残で同じ動詞が使われています。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。
hang up(電話を切る)の例文
A: Did you speak to Bob last night?
(昨夜ボブと話しましたか。)
B: Yes, but he had to hang up early. He had some work to do.
(そうですが、彼は早く電話を切りました。彼は仕事があったそうです。)
A: Sorry, I have to hang up now.
(ごめんなさい。もう電話を切りますよ。)
B: That’s ok. Let’s talk again tomorrow.
(大丈夫ですよ。また明日話しましょう。)
A: What happened? Why are you crying?
(どうしたの? なんで泣いているの?)
B: I was talking to Daniel on the phone and we had an argument. He hung up on me!
(ダニエルと電話で話している途中で口喧嘩になった。彼は電話を切りやがったのよ!)
「物を掛ける・干す」という意味の「hang up」の使い方
もう一つの「hang up」の意味は「ものを掛ける」、「干す」という意味です。例えば、「洋服をハンガーにかける」という意味や、「洗濯物を外で干す」、「絵を壁に掛ける」といったシーンで「hang up」という動詞を使います。
「hang」という単語自体は「掛ける」という意味になり、「up」は「上の方に」というニュアンスを与えます。この句動詞は「電話を切る」という「hang up」と違って、目的語を「hang」と「up」の間に持ってくる事ができます。例えば、使い方を紹介すると。
「hang up your clothes」(洋服を掛ける)という言い方や、「hang your clothes up」という言い方でも使えます。それでは、例文を通して使い方を覚えていきましょう!
「物を掛ける・干す」のhang upの使い方 例文
A: I’ve done the laundry. Could you hang the clothes up for me?
(私は洗濯物をやっといたけど、服を干してくれない?)
B: Sure, no problem.
(いいよ、もちろん。)
A: Where’s my coat?
(私のコートはどこにある?)
B: It’s hanging up in the closet.
(クローゼットの中にかかっているよ。)
A: Could you hang up that new picture we bought?
(私たちが買った絵を掛けてくれない?)
A: I’ve done it already. I hung it up above the fireplace.
(もうやったよ。暖炉の上に掛けたよ。)
「不安」や「コンプレックス」という意味の「hang-up」の使い方
最後はハイフン付きの「hang-up」についてお話してみたいと思います。「hang-up」は以前に紹介した「hang up」と違って、句動詞ではなく「名詞」になります。
この名詞の意味は「不安」や「コンプレックスを持っている」という意味になります。この表現は日常英会話でよく使われます。そして、代わりに「complex」(コンプレックス)という単語でも代用可能です。
「hang-up」という単語は多くの場合「to have (got) a hang-up about ~」という表現で使われます。この表現は日本語で「~についてコンプレックスがある」、「コンプレックスを持っている」という意味になります。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で見ていきましょう。
「不安、コンプレックス」という意味のhang-upの使い方 例文
A: I’ve got a hang-up about my bum. It’s too big.
(私は自分のお尻にコンプレックスがある。大きすぎ!)
B: It’s fine. Big bums are sexy!
(大丈夫だよ。大きいお尻はセクシーだよ!)
A: Mike is starting to go bald.
(マイクは剥げてきたね。)
B: Yes, but don’t mention it. He has a real hang-up about his hair.
(そうだけど本人に何も言わないで。彼はそれについてすごいコンプレックスがあるよ。)
A: Karen is so pretty but she lacks confidence.
(カレンはとても可愛いけど自信はないね。)
B: Yes. She’s got so many hang-ups about her looks. I don’t know why though.
(そうですよね。見た目について色々なコンプレックスがあるみたい。なぜかわからないけど。)
まとめ:「hang up」、「hang-up」の意味と使い方
まとめると「hang up」は句動詞で「電話を切る」または、「物を掛ける」という二つの意味があります。「hang-up」は句動詞ではなく名詞です。意味として「コンプレックスがある」になります。
両方ともネイティブの日常会話で非常によく使われますので、スピーキング力やリスニング力を上達させたい方は必ず覚えておくべき言葉だと思います。
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