英語のバズワード:big dick energy、cakeism、overtourism、orbitingの意味と語源
OEDは毎年、その年を代表する英語の流行語を選び出します。テレビや新聞記事によく出てくる色々な単語を選んで、ショートリストを作っていきます。
その中から、その年の出来事、人の考え方などを最も正確に表す代表的な単語を一つ選びます。さて、2018年のOEDが選んだ英語の流行語は一体どんな言葉なのでしょうか?
gaslighting(動詞)
これは元々、心理学の用語です。被害者にわざと誤った情報を提示して、被害者が自身の記憶、知覚、正気を疑うよう仕向ける手法です。
incel(名詞)
この単語は「不本意ながら(involuntarily)」という単語と「独身者(celibate)」という二つの単語の組み合わせです。
「incel」という人たちはオンラインサブカルチャーで、「恋愛相手が欲しいがモテない為に恋愛相手ができない人」です。「incel」という人たちはオンラインでグループを作ってモテる人達をバッシングをします(笑)。
techlash(名詞)
この単語は「GoogleやFacebookなどの巨大なIT企業の活動に反対する事」という意味になります。「technology」(テクノロジー)と「backlash」(反発)の組み合わせです。
gammon(名詞)
「gammon」とは元々は「ハム」のような豚肉の種類ですが、スラングとして使うと「顔の赤いミドルクラス中年の右翼的なオジさん」という意味になります(笑)。
このスラングはイギリス英語のスラングです。こういったオジさんは右翼的な意見を言う際に「怒りで顔が赤くなってまるでハムのようにみえる」という様子からこの言葉が出来たようです。
big dick energy(名詞)
このスラングを直訳すると「大きいペニスの持ち主の自信」という意味になります。簡単に言うと「とても自信のある人のオーラ」という意味になります。
cakeism(名詞)
この単語は主にイギリス人のジャーナリストによって使われている単語です。「have your cake and eat it」というイディオム・諺から来ている単語です。
このイディオムは「矛盾する2つのことを同時に実現することは出来ない」という意味になります。「cakeism」というスラングはその諺に基づいています。2018年にイギリスの政府はEUから離脱する為のネゴシエーションを行っています。
イギリスの政府はEUと決別したいと思っています。しかし、離脱後もEUメンバーの時のようにEUの良い点を継続してほしいと思っています。その考え方は「cakeism」(二つの良い事を一緒に持ちたい)と呼ばれました。
overtourism(名詞)
この単語は「ある観光スポットに観光にやってくる人達の人数が多すぎて環境にダメージを与える事」という意味になります。最近、旅行が安くなって世界中の観光客は益々自由に色々な場所に行けるようになっています。
そのせいもあり、色々な観光スポット、世界遺産などがダメージを受けているそうです。その現象を「overtourism」といいます。
orbiting(動詞)
この単語の意味は元々「軌道」という意味ですが、スラングとして使うと「元カノ・彼と直接コミュニケーションをせず、その人のSNSを見たり、ライクを押したりする事」という意味になります。
つまり、もう別れた過去の恋人の周りを「うろうろ動き回っている」というような意味合いになります。
気になる2018年の流行語は「Toxic」という言葉です!
OEDが選んだ2018年の流行語は「toxic」という単語です。この形容詞は「毒性の」という意味になりますが、最近は以下のようなコロケーションで使われています。
- toxic masculinity (害を及ぼす男らしさ)
- toxic work environment/culture (ネガティブな職場環境)
- toxic relationship (害のある人間関係・恋愛関係)
つまり、「toxic」は「人に害を及ぼす」という意味の形容詞として使われるようになっています。特に「心理学的な害」というテーマの話をする際に使われている単語です。
2018年に「#metoo」というキャンペーンが流行っていました。そのキャンペーンは女性が受けたセクハラ、レイプ、パワハラなどの事件を公表するキャンペーンです。
そういった事件をを起こす男性は「toxic masculinity」(害を及ぼす男らしさ)という行動を行っていると言われています。