beenとgoneの違いとニュアンス、使い分けをネイティブが徹底解説
こんにちは。カナダ人の英語教師のスコットです。今回の記事では、英文法の過去分詞に関するテーマとして「beenとgoneの違い」、そして、ニュアンス、ネイティブはどのように使い分けするのかという事についてお話してみたいと思います。
私が英語を教えている生徒に必ずといっていいほど、よく質問される英文法として「beenとgoneの違いは何ですか?」という内容がよく出ていきます。
日本では、中学生3年生の時に動詞の「過去分詞」という英文法を勉強します。過去分詞は数多くの文法パターンで使われている重要な文法になります。例えば:
- 経験を表すパターン
- 受動態
- 現在・過去完了
しかし、上記のパターンは多くの日本人英語学習者にとって意外と難しく感じるのではないかと思います。ネイティブである私の立場からみると、英語を上手に話せる人であっても、極力「現在・過去完了や受動態は使わない」というように避けている人が多い気がします。
beenとgoneは両方とも動詞の過去分詞ですが、使い方と使い分けは少し分かりにくいと思います。以上の理由から、今回の記事ではbeenとgoneの違いを紹介すると共に、細かいニュアンス、使い方、使い分けを細かく紹介していきたいと思います。
beenの使い方
beenとgoneの違いを理解するためには、まず先にそれぞれの単語の意味と使い方をしっかりと理解する必要があると思います。まずは、「been」の意味と使い方をクローズアップしていきましょう。
「been」はbe動詞の”過去分詞”です。つまり、「be動詞」は、「be/am/are/is」→「was/were」→「been」というように変化していきます。
最もよく使われる「been」のパターンとしては「経験を表す表現」だと思います。それでは、実際の使い方を例文でみていきましょう。
ネイティブがbeenを使う際の例文:
Have you ever been to London?
(あなたはロンドンに行った事はありますか?)
I have been to London three times.
(私は3回もロンドンに行った事があります。)
I have never been to London.
(私はロンドンに行った事はありません。)
She has never been to London but she has been to Manchester.
(彼女はロンドンに行ったことがありませんが、マンチェスターに行った事があります。)
上記のようなパターンで「been」を使うと「何処かへ行って帰ったきた」というニュアンスを表します。同じパターンで「gone」はあまり使いません。
「gone」は「go」の過去分詞ですが、「~に行った事がある」というニュアンスのある文章では「gone」を使いません。
現在完了の「been」の使い方
次は現在完了のパターンで「been」の使い方を見てみましょう。これもまた「何処かへ行って帰った」というニュアンスを表します。
それでは、実際の使い方をダイアログで確認してみましょう。
ネイティブが現在完了のパターンで「been」を使う際の例文:
A: Where have you been?
(あなたは何処に行ってきたの?)
※帰ってきた人に言う台詞。
B: I’ve been to the supermarket.
(スーパーに行って帰ったよ。)
上記の例では「gone」は使う事が出来ません。何故なら「A」の人はもう「行った場所から戻ってきてる」という状態です。
しかし、もう「いなくなった人」について話す場合には「gone」を使う事が出来ます。
文章だけで説明しようとすると難しいと思いますので、実際の使い方を例文でみていきましょう!
ネイティブが「gone」を使う際の例文:
A: Where has Mike gone?
(マイクは何処に行ったの?)
B: He has gone to the supermarket. He’ll be back soon.
(スーパーに行ったよ。もう直ぐ帰ってくる。)
つまり、これはマイクという人が「何処かに行ってまだ帰ってきていない」というニュアンスを表わしています。
goneの使い方
次は「gone」の使い方をみていきましょう。「gone」は「go」(=行く)という動詞の過去分詞です。つまり、「go」→「went」→「gone」と変化します。
しかし、「gone」は「been」と違い「何処かへ行ったがまだ戻ってきてない」というニュアンスになります。つまり、現在「そこにはいない」という状態になります。
ネイティブが「gone」を使う際の例文:
Dad has gone to bed.
(パパはもうベッドに入ったよ。)
※パパは今寝ているというニュアンス。
Katie has gone to school.
(ケイティーは学校に行った。)
※ケイティーは「まだ学校にいる」というニュアンス。
Mum has gone to the supermarket.
(お母さんはスーパーに行った。)
※お母さんは「まだスーパーにいる」というニュアンス。
「gone」は人の話だけではなく「物が無くなった」という場合にも使う事が出来ます。つまり、「~が無くなってしまった」という意味でも使えます。
それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。
「~が無くなってしまった」という表現をする際の例文:
My pen has gone!
(私のペンが消えた!)
There are no more biscuits. They’ve all gone.
(クッキーはもうないよ。全て食べられてしまったよ。)
There used to be a school here but now it has gone.
(昔ここに学校があったけど、もうなくなったのよ。)
「gone」は数多くのイディオムや表現の中で使われますが、それ以外にも役に立つ文法パターンがあります。
これは主に話し言葉としての使い方になりますが、「~してしまった」という意味として使う場合です。
文法パターンとしては「gone and 過去分詞」で表現していきます。
「~してしまった」という表現をする際に使う「gone and 過去分詞」の例文:
He has gone and broken the vase!
(彼は花瓶を壊してしまった!)
She has gone and burnt the chicken!
(彼女はチキンを焦がしてしまった!)
Mike has gone and eaten all the cookies!
(マイクは全てのクッキーを食べやがった!)
「gone and 過去分詞」は「悪い事をしてしまった」や「間違えを犯してしまった」という事を表現したい際に使う文法パターンです。
goneとbeenの違い:まとめ
まとめると、「been」は「何処かに行ってもう戻ってきた」という意味になり、「gone」は「何処かに行ってまだ帰ってきていない」という意味になります。
以上のルールを覚えておけば、英会話の際に「この場合はbeenとgoneのどちらを使うべきか?」という事を迷う事も少なくなると思います。