2022年に発表された英語圏の国の流行語TOP3
日本でもある事だと思いますが、英語圏の国では、有名な辞書メーカーがその年の流行語、その年を代表する単語を選んで発表する習慣があります。ちなみに2022年の日本語の流行語は「むらかみさま」だったそうですね。それでは、英語圏の国の流行語(代表単語)はどんな言葉だったのでしょうか。
goblin modeの意味と使い方
2022年にOED(オックスフォード・イングリッシュ・ディクショナリー)が選んだ流行語は「goblin mode」という言葉です。この表現は「卑しくてわがままな行動」という意味になります。しかし、この行動はわざと行う行動です。
つまり、怠けたくやる気がない時に自分の部屋でゴロゴロして卑しくジャンクフードを食べるというようなシーンで使われる表現です。この表現はSNSで流行っていましたし、英語の日常会話でも使われるようになったため「流行語」として認定されたようです。goblin(ゴブリン、小鬼)とは民間伝承に登場する伝説の生物です。「mode」は日本語にもなっていると思いますが「モード、状態」という意味です。それでは、実際の使い方を例文で確認してみましょう。
goblin modeの使い方 例文
A: Do you want to go shopping tomorrow?
(明日一緒に買い物に行かない?)
B: No, I’m tired. I want to stay at home in goblin mode, watch movies and eat cheese on toast.
(いや、疲れたわ。家でごろごろして怠け者のように映画を観ながらチーズトーストを食べたい。)
A: Fair enough!
(そっか。しょうがないね。)
A: Did you have a good weekend?
(週末はよかった?)
B: Yeah, my boyfriend came to my house and we just stayed in the living room eating snacks and watching reality TV.
(そうよ。彼氏は私の家に来てリビングでごろごろしてスナックを食べながらリアリティーテレビを見た。)
A: You were in goblin mode!
(それはゴブリンモードだね!)
B: That’s right! It was great!
(そうよ!楽しかったわ。)
gaslightingの意味と使い方
アメリカの「Merriam-Webster」という英語辞書は2022年の流行語として「gaslighting」という言葉を選びました。gaslightingという単語は「特定の人をターゲットにして集団で付け回したり、ターゲットが妄想癖や精神的な欠点を持っていると思い込ませるような工作をする行為」という意味です。最終的にターゲットを精神的に追い詰めていく事になるのでこれは一種の精神的虐待とされています。
この単語は元々心理学者やDV問題の専門家達が使う用語でしたが、去年になり一般人の間でも流行るようになりました。この表現は1938年に書かれた演劇(Gas Light)のストーリーが由来になっている表現です。それでは、実際の使い方を例文で確認してみましょう。
gaslightingの使い方 例文
A: I need more help with the housework. I’ve got too much to do.
(家事もっと手伝ってほしい。私は仕事が多すぎるよ。)
B: I’m always doing housework. Last week I did all of it and you did nothing. You’re going crazy!
(俺はいつも家事をやっているよ。俺は先週全てやったけどお前は何もしなかった! 頭がおかしくなったんじゃない?)
A: Stop trying to gaslight me!
(それはうそでしょう! 私が妄想を観ているように言わないで!)
A: Tom and Jane broke up. They’re getting divorced. He was very abusive.
(トムとジェインは別れたのよ。離婚するそうです。彼は虐待していたらしい。
B: Really? He seemed so nice!
(ほんとう?彼は優しそうな人だったのに!)
A: He was nice to everyone else, but at home he gaslighted her and emotionally abused her.
(彼は外ずらがいいけど、家で奥さんに嘘ばっかり言っていたし、精神的虐待をしていたらしい。)
permacrisisの意味と使い方
Collinsというイギリスの有名辞書は「permacrisis」という単語を流行語に選びました。この単語は二つの部分の組み合わせから来ています。「perma」は「永続」という意味になり「crisis」は「危機」という意味になります。これを組み合わせると「長く続く(響く)危機」という意味になります。発音は「パーマクライシス」に近いです。
この流行語は世界の経済スランプ、新型コロナウィルスのパンデミック、物価の高価、ウクライナとロシアの戦争などの問題にインスパイヤされました。この表現はこれからもしばらく悪いニュースしかなさそうという考え方が元になっているそうです。日本が選んだ「2022年を代表する漢字」の「戦」はこれと似たような雰囲気ですね。それでは、実際の使い方を例文で覚えていきましょう。
permacrisisの使い方 例文
A: Do you think the economy will pick up soon?
(そろそろ経済がよくなると思いますか。)
B: No. I’m afraid we are in the middle of a permacrisis.
(いいえ。残念ながら長く続きそうな危機ですね。)
A: Since the pandemic, everything seems so negative.
(パンデミック以来、全てネガティブな感じですね。)
B: The world seems to be going through a permacrisis.
(そうですね。世界は長く続く危機な時代に入ってしまったね。)
まとめ:2022年の流行語
今回の内容とまとめると、2022年の英語圏の国で発表された流行語は以下の3つが話題となりました。
- goblin mode
- gaslighting
- permacrisis
これら日常会話に使うには少し難しい単語かもしれませんが、英語圏のソーシャルメディアをみていると上記の単語が定期的に出てくると思います。特に「permacrisis」という言葉は新聞やテレビニュースなどにも使われるようになりましたので、意味を覚えておくと便利だと思います。