「面倒を見る」という意味になる二つの句動詞と使い方
今日これから紹介する「look after」と「take care of」という二つの表現は両方とも「面倒を見る」という意味になる句動詞ですが、実はニュアンスの違いや使い方の違いがある為にネイティブはこの二つを使い分けています。
そして、別の意味としても使う事が出来る表現なので、今回の記事ではこの二つの句動詞の正しい意味・使い方・使い分けを紹介してみたいと思います。まず最初に「句動詞」についてご存じない方もいらっしゃると思いますので、復習として句動詞について少しお話してみたいと思います。
句動詞とは何? イディオムとは違う?
先程を触れたように「look after」と「take care of」は両方とも「句動詞」という種類の英語動詞です。「一般動詞」については皆さん当然ご存じだと思いますが、「句動詞」に関しては学校であまり紹介されていない場合が多いと思います。
しかし、とても重要な動詞の種類なので必ず詳しく理解しておくべき英語の知識です。句動詞とは、「動詞+前置詞・副詞」という組み合わせです。句動詞は二つ、または三つの単語の組み合わせで構成された表現になりますが、基本的には一つの単語として扱います。
句動詞は時々「イディオム」とも呼ばれますが、実際にはイディオムとは少し異なります。イディオムも色々な単語の組み合わせですが、イディオムの場合、名詞や形容詞なども入っている場合があります。
しかし、句動詞は単純に「動詞+前置詞・副詞」という組み合わせになります。英語ネイティブ達は、日常会話で句動詞を数多く使いますので、とても重要な言葉の種類です。
例えば、「get up」(起きる)、「sit down」(座る・腰掛ける)、「turn off」(消す)、「wake up」(目覚める)といった英語表現はすべて句動詞になります。
句動詞を数多く覚える事によって英会話力はかなり上達します。また句動詞の知識がないとネイティブの会話をあまり理解できないと思います。句動詞についてさらに詳しく勉強してみたい方はこちらの句動詞専門教材がお勧めです:
それでは、具体的な「look after」と「take care of」の違いと使い方をそれぞれ紹介していきます。
look afterの意味と使い方、どんなニュアンスの表現?
「look after」とは主に「面倒を見る」という意味になりますが、主に「子供の面倒を見る」や「ペットの面倒を見る」という意味として使われます。しかし、他にも違う使い方があります。
例えば、「ものを大切にしている」というニュアンスとしても使えます。例として、自分の家や車、庭などを大切に管理、掃除、メインテナンスなどをするという際には、「the house is well looked after」という表現を使います。この表現は「この家は大切に使われています」というニュアンスを与えます。
そして、職場で誰かが何かに責任を持っているという表現をする場合には、「I look after foreign sales」(私は海外セールスの責任を持っています)といった表現を使うことができます。
まとめると、「look after」には「面倒を見る」、「世話をする」、「大切に持つ・使う」、「~の責任がある」という広い意味として使うことができます。
イギリス英語では、「look after yourself!」というお別れのあいさつがあります。これは日本語で「気を付けてね!」と同じ意味になります。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。
look afterの使い方 例文
I can’t go out today. I have to look after my children.
(私は今日出かけられない。子供の面倒を見ているからです。)
His garden is well looked after. He must enjoy gardening very much.
(彼の庭はとても大切にメインテナンスされています。彼はガーデニングが大好きでしょう。)
I work in the accounts department. I look after the tax side of things.
(私は経理部です。私は税金に関する仕事をしています。)
See you again soon! Look after yourself!
(また会おうね!気を付けて!)
take care ofの意味と使い方とは? 英米の使い方の違いは?
「take care of」は以前に紹介した「look after」と同じように「子供・ペットの面倒を見る・世話をする」という意味になります。この表現はアメリカ英語で特に使われています。
イギリス英語では「look after」の方が使われる傾向にあります。しかし、「ものを大切に持つ・使う」という使い方はあまりないです。
その代わりに「well looked after」という表現がありますが、「well taken care of」という表現はあまり耳にしません。その代わりに「well cared for」という表現を使います。
もう一つの使い方は「処理する」、「対処する」という使い方です。例えば、「take care of this problem」(この問題を対処する)という表現はよく使われます。
他にも「~を担当する」という使い方もあります。例えば、「take care of the laundry」(私は洗濯物を担当する)などの役割について話す際に使います。
そして、お別れのあいさつとして、「take care!」(気を付けてね!)という表現もよく使われています。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。
take care ofの使い方 例文
Who is taking care of the children today?
(今日は誰が子供の面倒を見ていますか。)
I have to take care of my elderly parents.
(私はお年寄りの親の世話をするべきです。)
I’ll take care of this problem. You just relax.
(私はこの問題を処理しますよ。あなたはゆっくりしていいですよ。)
This garden is well cared for.
(この庭の面倒はちゃんと見られていますね。)
At home, I take care of the laundry and my wife takes care of the cooking.
(僕は家で洗濯物を担当して、妻は料理を担当しています。)
「look after」と「take care of」の違い:まとめ
まとめると、多くの場合には、「look after」と「take care of」は同じ意味と使い方になります。しかし、「take care of」は「処理する・対処する」という意味もあります。
そして、英語圏の国によってそれぞれ使用頻度が違います。例えばイギリス人は「look after」という表現を使う傾向があり、アメリカ人は「take care of」を主に使う傾向があります。
もちろん、どの英語圏の国でも両方のフレーズが理解されますし、使われていますので基本的にはどちらを使っても通じます。この二つの句動詞はとても重要なので必ず覚えておきましょう!