英語で「取引する・売買する」,「配る」「扱う・対応する」は何と言う? dealの意味と使い方
この「ディール」という言葉も最近では和製英語になってきていると思いますので、「deal」の意味をご存じの方も多いと思います。しかし、このdealという単語には様々な意味と使い方があります。
特に有名な使い方が「取引する」という意味になるビジネス英語だと思いますが、それ以外にも英語のスラングやイディオムにも出てきます。
ですから、英会話をマスターしたいという学習者の方は特にdealの様々な使い方を覚えておくべきだと思います。それでは、具体的にdealにはどんな意味と使い方があるのでしょうか?
dealの発音と過去形は?
先ず最初に「dealの発音」について紹介したいと思います。わかりやすくカタカナの発音で説明すると「ディアル」と「ディーアル」の間といった発音になります。
ちなみに最後の「l」はあまりはっきり発音しなくても大丈夫です。イギリス英語とアメリカの発音を聞きたいなら、以下のページで確認してみて下さい:
dealの過去形はdealtになります。この単語の発音は「デルト」に近いです。過去分詞も同じ「dealt」になります。
それでは、それぞれの意味をもっと詳しくクローズアップしていきましょう!
「トランプカードを配る」という意味になる「deal」
dealは動詞としても名詞としても使えますが、まずは動詞の「deal」の意味と使い方を見ていきましょう。まず一つ目の意味は「トランプのカードを配る」という意味です。
トランプやカードゲームをする際には、誰かが参加者にカードを配りますね。その「配る」という行為を英語では「deal」という言い方になります。そして、カードを配る人は「dealer」と言います。
この使い方はイディオムとしても使えます。例えば「to be dealt a bad hand in life」というイディオムの表現を直訳すると、「この人生に使えないトランプのカードをもらった」という意味になりますが、イディオムとしての意味は「人生が不運な人」という意味になります。
それでは、実際のネイティブの使い方を例文を通して確認してみましょう!
「トランプカードを配る」という dealの使い方 例文
Let’s play cards. Who is going to deal?
(トランプをしよう! 誰がカードを配るの?)
I’ll deal the cards. Don’t touch them until I’ve finished!
(私がカードを配るよ。終わるまで触らないでね!)
Whose turn is it to deal?
(カードを配るのは誰の番だっけ?)
Mike lost his whole family in a car crash. Now he’s got cancer. He’s been dealt a bad hand in life.
(マイクは家族を交通事故で亡くしました。そして、彼は今癌になってしまいました。彼はとても不運な人ですね。)※イディオムの使い方の例文
「取引する・売買する」という意味の「deal」
この使い方も動詞です。主に「株券」や「麻薬」などの売買について話す際に使う単語になります。「物を買ってその後に利益を得るために売る」というニュアンスの動詞です。
また、こういった行動をする人の事を「dealer」と言います。例えば、「麻薬の売人」の事を英語で「drug dealer」と言います。そして、アンティーク品を売る人の事を「antique dealer」と言います。また、競馬の馬を売買する人の事を「horse dealer」と言います。
それでは、実際のネイティブの使い方を例文を通して確認してみましょう!
「取引する・売買する」という意味の「deal」の使い方 例文
A:What’s that man doing over there? He looks suspicious.
(あそこの男性は何をしているのだろう? 彼は何か怪しそうだね。)
B:I think he’s dealing drugs.
(彼は麻薬を売っていると思うよ。)
A:What does your father do for a living?
(お父さんの仕事は何ですか。)
B:He deals in stocks and shares.
(彼は株券の売買をしています。)
A:I want to get rid of some old furniture.
(私は古い家具を処分したい。)
B:I know a man who deals antiques. Maybe he’ll buy it from you.
(私はアンティーク品の売買をしている人を知っていますよ。もしかすると彼が買い取ってくれるかもしれません。)
「扱う、対応する」という意味になる「deal」
dealという動詞は多くの場合「句動詞」として使われます。句動詞とは「動詞+前置詞・副詞」という組み合わせの表現です。
そして、dealはよく「deal with」というセットで句動詞に入っています。「deal with ~」は「~を扱う」、「~に対応する」という意味になります。
また、「can’t deal with ~」は「~を我慢できない」、「耐えられない」という意味になります。この句動詞は多くの場合「痛み」(pain)などの名詞と一緒に使います。それでは、ネイティブの使い方を例文で確認していきましょう。
「扱う・対応する」の「deal」の使い方の例文
A:Can you deal with the next customer? I’m going to eat lunch now.
(次のお客を対応してもらえますか。私はこれからランチを食べに行きますので。)
B:Sure. Enjoy your lunch!
(いいですよ。ランチを楽しんできてね!)
A:How was work today?
(今日の仕事はどうでしたか。)
B:It was tough. I had to deal with a difficult matter.
(大変でしたよ。私は難しい問題を対処する必要があったので。)
A:If you can’t deal with the pain, take this medicine.
(痛みが我慢出来ないなら、この薬を飲んでください。)
B:Thank you, doctor.
(ありがとう、先生)。
「ビジネスの取引」という意味になる「deal」
先程紹介した「deal」の使い方は全て動詞でしたが、ここからは名詞として使うdealの意味と使い方を紹介したいと思います。先ずは名詞のdealには「取引」という意味があります。
これは多くの場合ビジネスシーンで使う単語です。例えば、「business deal」(ビジネスの取引)、「a good deal」(うまくいった取引)などの表現で使う名詞です。
それでは、実際のネイティブの使い方を例文を通して確認してみましょう!
「取引」の「deal」の使い方の例文
The deal did not go as planned.
(取引は計画通りに行きませんでした。)
This deal means all the employees will receive a pay rise.
(この取引の影響によって全ての従業員の給料は上がりました。)
Did you finalize the deal?
(あなたは取引を終わらせましたか。)
This is a great deal for the company.
(これは会社にとってかなり良い取引です。)
「大したことじゃない」という意味になる「not a big deal」
先程も紹介したように、「deal」という単語には、イディオムやスラングとしての使い方があります。例えば、「not a big deal」や「no big deal」という表現は「大した事じゃない」という意味になります。
この表現は日常会話で非常によく使われています。この表現中で使われている「deal」は「取引」ではなく「物事・トラブル」といった意味になります。
それでは、実際のネイティブの使い方を例文を通して確認していきましょう。
「大したことじゃない」という意味の「not a big deal/no big deal」の使い方 例文
A:I broke up with George last week.
(私は先週ジョージと別れたのよ。)
B:Really? Oh no! That’s so sad.
(ほんとう?やばいね!悲しいね。)
A:It’s no big deal. I’d been thinking of breaking up with him for a while.
(いや、大したことじゃないよ。前から別れようと考えていたから。)
A:I just dropped your vase! I’m so sorry!
(あなたの花瓶を落としてしまったよ! 本当にごめんね!)
B:Don’t worry about it. It’s not a big deal!
(気にしないで! 大した事じゃないから!)
A:I’ve started my own business.
(私は自分のビジネスを立ち上げました。)
B:Wow! Congratulations!
(凄いね! おめでとう!)
A:It’s not really a big deal. I’m just doing translation work.
(まあ、大したことじゃないよ。翻訳の仕事をやっているだけです。)
「偉い人・偉い事」という意味になる「big deal」
この「not a big deal」という表現は「大したことじゃない」という意味になりますが、「a big deal」は逆に「偉い人・偉い事・大した事」という意味になります。
例えば、ビジネス界で立場の上の偉い人の事を「big deal in the business world」と表現します。そして、この表現は逆に皮肉めいた言い方として使う事ができます。
つまり、この表現を使って、声のトーンを利用して「大したことじゃない」といったように逆の意味として使う場合です。複雑そうにみえますが、分かりやすく理解する為に例文を通してネイティブの使い方を覚えていきましょう!
「偉い人・偉い事」という際の big dealの使い方 例文
A:Who is that man?
(あの男性は誰ですか。)
B:I don’t know his name but he’s a big deal in the marketing department.
(名前が分からないけど、マーケティング部の偉い人だそうです。)
A:The company president quit last week.
(先週社長が辞めたんだよ。)
B:Really? I didn’t know that!
(本当?!知らなかった!)
A:It was quite a big deal. Apparently he stole money from the company.
(偉い事だったよ。彼は会社からお金を盗んだらしいよ。)
A:I got 75% in my test.
(私はテストで75%を取ったよ!)
B:Big deal! I got 90%.
(それは大したことじゃない! 私は90%を取ったよ!)
A: Oh.
(あ、そっか。) ※「big deal」の皮肉った使い方
「お買い得」という意味の「good deal・great deal」
もう一つの使い方は「good deal」、「great deal」という言い方です。この表現は「お買い得」という意味になり、日常会話でよく使われています。
例えば、良い物を安く買えたという際には「got a great deal」という表現を使います。この表現はビジネスシーンでも使えます。それでは実際のネイティブの使い方を例文を通して覚えていきましょう!
「お買い得」という意味の「good deal・great deal」の使い方 例文
A:How much was that computer?
(そのパソコンはいくらでしたか。)
B:It was only $200. I got a great deal in the sale.
(たった$200だけだったよ。バーゲンセールでお買い得だった。)
A:Why don’t you buy this bag? It’s real leather and only $100.
(このかばんを買ったら?本革だし$100だけでよ。)
B:It’s a good deal but I don’t really like the color.
(それはお買い得だけど、色があまり好きじゃない。)
「決まり!」という意味になる「It’s a deal!」
最後に紹介する表現は「it’s a deal」という言い方です。時々シンプルに「deal!」という言い方を使う場合もあります。
この表現は「誰かと何かの計画や予定」について話している際、その計画が話し合った際に決まった後「よし決まり!」という表現をすると思います。そのような際に「it’s a deal!」といいます。
この表現は主にカジュアルな会話で使いますが、ビジネスシーンでもよく耳にしますので、必ず覚えた方が良いと思います。それでは、ネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。
「決まり!」という際の「it’s a deal」の使い方 例文
A:So, as for Saturday’s picnic, I thought I’d bring the sandwiches and you could bring some fruit. What do you think?
(土曜日のピックニックの事なんですが、私はサンドイッチを持って行って、あなたは果物を持っていけばいいと思ったんですが。どうですか。)
B:It’s a deal! See you there!
(決まり!また土曜日でね!)
A:You wash the car and I’ll mow the lawn.
(あなたが車を洗って、私は芝生を刈るから。)
B:Deal.
(分かった。決まり!)
まとめ:dealの様々な意味と使い方について
まとめると、「deal」という単語は数多くの意味と使い方がありまます。先ずは、動詞として使うと「取引をする、売買する」という意味があります。そして、句動詞の中で使うと「扱う、対応する、我慢する」という意味になります。
名詞として使うと、「取引」だけではなく、「大した事」、「大した人」、「決まり!」といった意味としても使えます。この単語は様々な日常会話で使われるイディオムとスラングによく出てきますので、英会話をマスターしたい方は、それぞれの意味と使い方をしっかり覚えておくべきだと思います!