意味が似ているが使い方が違う stillとyet、alreadyの違い
この二つの単語を英語学習の初心者の方がよく間違えてしまう理由としては「still」と「yet」は両方とも「まだ」という意味になるからだと思います。
しかし、厳密に言うと文法的には「stillとyetの使い方」は違います。それでは、さらに詳しくstillとyetの違い、正しい使い方を例文を交えて詳しく説明していきたいと思います。
stillの使い方とニュアンス
「Still」は副詞で「今までのところまだ」、「今もなお」という意味です。つまり、「変わっていない、まだ続いている状態」というシチュエーションを表す際に使う単語です。
そして、「Still」は主に「肯定文」で使いますが、否定文で使う場合もあります。まずは「肯定文」で使う「still」の例文を見てみましょう。肯定文で「still」を使う場合、動詞か形容詞の前で使います。
「肯定文」で使う「still」の例文:
It is still raining.
(まだ雨が降っています。)
She is still very young.
(彼女はまだとても若いです。)
I still love you.
(私はまだあなたの事が愛していますよ。)
※「愛情が続いている」というニュアンスになります。
Do you still want to go shopping tomorrow?
(まだ明日買い物に行きたいですか?)
It’s October now but it’s still as hot as summer.
(もう10月ですが、まだ夏と同じくらい暑いです。)
次は、否定文での「still」の使い方についてクローズアップしてみましょう。上記の例文と同じく、否定文で使う「still」は「まだ続いている状態」を表す際に使います。
「否定文」で使う「still」の例文:
She still hasn’t called me.
(彼女はまだ私に電話してくれていません。)
The teacher explained this math problem to me many times but I still don’t understand.
(先生は私に何回もこの数学の問題を説明してくれましたけど、私はまだ理解できません。)
I still can’t eat cucumber.
(私はまだきゅうりを食べられません。)
※「昔からきゅうりが好きじゃない」というニュアンス。
She still hasn’t done her homework.
(彼女はまだ宿題をやっていない。)
I still like this band. I started liking this band when I was at junior high school.
(私はこのグループをまだ好きです。このグループを初めて好きになったのは中学校の頃でした。)
yetの使い方とニュアンス
「yet」は「まだ」、「まだ~ない」、「まだ~していない」という「まだ起きていない事」を表す際に使う単語です。主に否定文と疑問文で使う単語になります。
そして、この表現は「have not + 動詞の過去分詞 + yet」というパターンでよく使われています。
ネイティブが「yet」を使う際の例文:
It isn’t raining yet.
(雨はまだ降っていない。)
※「雨が降りそうだけど、まだ降っていない」というニュアンス。
I haven’t finished my dissertation yet.
(私はまだ論文を終えていません。)
※「論文を書いている途中だ」というニュアンス。
Have you eaten breakfast yet?
(あなたはもう朝ごはんを食べましたか?)
※「相手はいつか朝ごはんを絶対食べると期待していますが、もう食べたのかどうかを確認している」というニュアンス。
She hasn’t cleaned her room yet.
(彼女はまだ部屋を掃除していない。)
I haven’t cooked dinner yet. If you’re hungry, have a rice ball.
(私はまだ夕食を作っていない。お腹空いているなら、おにぎりを食べてください。)
「yet」の疑問文
疑問文で「yet」を使う場合「動詞の過去分詞」という文法を使う必要があります。「yet」は「単純過去形」と一緒には使う事が出来ません。
以下の例では、正しい例と間違った例を紹介しています。
Have you eaten lunch yet?(文法的に正しい文章)
Did you eat lunch yet?(文法的に正しくない文章)
(あなたはもう昼食を食べましたか?)
Have you made dinner yet?(文法的に正しい文章)
Did you make dinner yet?(文法的に正しくない文章)
(あなたはもう夕食を作りましたか?)
※アメリカ英語の日常会話では「Did you ~ yet?」という文法は耳にするかもしれませんが、イギリス英語の文法では、これは間違った文法になってしまいます。
stillとyetは同時に使えるのでしょうか?
英語学習者の方からよく「stillとyetは同時に使えるの?」という質問をされる事があります。この答えを簡単に言ってしまうと、「stillとyetを同時には使えない」という事になります。
何故なら、stillは「変わっていない」、「まだ続いている状態」という意味を表す単語です。そして、「yet」は「まだ起きていない」というニュアンスを表す単語です。
つまり、stillとyetでは、意味が微妙に違います。そのため、この二つを同時に使う場合は非常に稀です。私のアドバイスとしては、stillとyetは同じ文章には使わない方が良いです。
時々、英語ネイティブは会話の際に間違って同時に使う人もいると思いますが、こういった言い方は真似しない方が良いでしょう!
still、yet、alreadyの違い
最後は「already」という単語について少し話したいと思います。「already」は「still」と「yet」に少し似ている単語なので「still、yet、alreadyの違い」について気になる方もいると思います。
「already」は「もうすでに~をやった・が起きた」というニュアンスを与える単語です。「already」は肯定文で使う単語ですし、一般的に現在完了形の文章で使います。
そして「still」と「yet」はそのような「もうできた・もう起きた」というニュアンスを与える単語ではありません。
ネイティブが「already」を使う際の例文:
I have already had lunch.
(私はもうすでにランチを食べました。)
She has already done her homework.
(彼女はもうすでに宿題を終わらせました。)
Have you finished that report already?
(あなたはもうそのレポートを終わらせたの?)
※alreadyを疑問文で使うと「驚き」のニュアンスが含まれています。
Is your son really 20 years old already?!
(息子さんは本当にもう20ですか?!)
※驚きのニュアンス
stillとyetの違い:まとめ
まとめると、「still」は「現在も続いている状態」を表す単語になり、「yet」は「まだ起きていない事」を表す単語になります。
「still」は疑問文では滅多に使われませんが、「yet」は疑問文でよく使います。「yet」を疑問文で使うと「have + 動詞の過去分詞 + yet」というパターンが一般です。