looking forward toのtoの意味と正しい使い方
それでは、実際に頂いた質問はこちらになります。
読者の方の質問:
今、このサイトを見ていましたら、文法のことで質問されている方がいましたので、私も質問させていただきたいです。
「どんな状況の中にあっても恐れることなく、また希望と将来を待ち望みながら生きていく力が与えられる」という文章を作りたいです。
いろいろ、考えたり調べていましたら
We are given the strength to live without fear in the midst of all circumstances and with hope and a future to look forward to.
という文章がありました。この文章では文末が「look forward to.」で終わっています。toの後は何か省略されているのでしょうか?
一般的にはI am looking forward to meeting you. とtoの後に動名詞や名詞がきますが、toで終わるのは、どのように理解すればいいのでしょうか? よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございました! そして、当サイトをご覧頂きましてありがとうございます。それでは、出来る限り分かりやすく「look forward to」の「to」に続く品詞・文法について説明をしてみたいと思います。
「懸垂前置詞」という文法ポイント
この質問は「dangling prepositions/hanging preposition」(懸垂前置詞)という現象に関する質問ですね。「preposition」は「前置詞」という意味になります。
「look forward to」の「to」の部分は前置詞です。「look forward to」は「○○を楽しみにしている」という意味になり、toの後には名詞か動名詞(または名詞句)が来ます。例えば、読者の方がおっしゃる通り「I look forward to seeing you」や「I’m looking forward to Christmas」等のような文章が作れます。
この例では「Christmas」が目的語になります。しかし、時々その目的語は文章の真ん中に入ります。そういった場合には「to」を使う必要がありますが、目的語に直接くっついてはいません。
ちょっと分かりづらいと思いますので、実際の例をあげると。
It is Christmas I am looking forward to.
(私が楽しみにしているのはクリスマスです。)
そして、懸垂前置詞は疑問文にもよく出てきます。例えば、こんな使い方があります。
What are you looking forward to?
(あなたは何を楽しみにしているの?)
つまり「looking forward to」は「イディオム」や「句動詞」なので「to」を抜く事はできません。その昔、「懸垂前置詞」はNGという事になっていました、現在では使ってもOKです。
懸垂前置詞の使用を避けたい場合、例えばこのように「It is Christmas I am looking forward to」という文章から「It is Christmas to which I am looking forward」という文章に変えてもOKです。懸垂前置詞はなくなりますが、現在の英語だとこれはとても古臭くフォーマルな文章になってしまいます。
ですから、例えば堅い新聞のようなコンテンツでもあまり見ないような文法といった感じです。そのため、懸垂前置詞を使っても大丈夫です。
他の「懸垂前置詞」の例 be afraid of
「懸垂前置詞」は「look forward to」だけではなく、他のイディオムや句動詞を使う文章にも出てきます。例えば、「be afraid of」という表現があります。これは「~が怖い」や「~を恐れる」という意味になる表現です。
そして、その際に「of」を抜く事はできません。ofを抜いてしまうと違う意味になりますので、文章のどこかでofを使う必要があります。そのために懸垂前置詞が必要になります。文章の説明だけだと分かりづらいと思いますので、実際の使い方を例文でみてみましょう。
A: What are you afraid of?
(あなたは何が怖いの?)
B: Spiders are what I’m most afraid of.
(一番怖いのはクモです。)
A: Is there anything you’re afraid of?
(何か怖いことがありますか。)
B: Yes, flying. That’s what I’m really afraid of.
(そうですよ。飛行機に乗る事。それは一番怖いですよ。)
他にも例が数多くありますが、特に句動詞を使う場合によく使います。
- listen to (○○を聞く)
- be tired of (○○にうんざりする)
- get off (降りる)
- get up to (する)
句動詞での使い方 例文:
What are you listening to?
(何を聞いているの?)
It’s doing homework that I’m tired of.
(宿題をする事にうんざりしている。)
The next station is where you need to get off.
(降りるべき駅は次の駅です。)
Did you have a good weekend? What did you get up to?
(週末はどうでしたか。何をしましたか。)
まとめ:懸垂前置詞と「looking forward to」
まとめると、「looking forward to」はフレーズとして考えた方が良いと思います。その「to」は前置詞です。その後に来るのは名詞か動名詞です。しかし、その名詞や動名詞が文頭にくると「to」を抜く事はできません。そういった場合には「懸垂前置詞」が出てきます。しかし、そこまで気にしなくても大丈夫です。英語ネイティブもその懸垂前置詞を定期的に使いますので大丈夫です^^
「We are given the strength to live without fear in the midst of all circumstances and with hope and a future to look forward to.」
つまり、上記の「a future to look forward to」は文法的にOKになります。如何でしょうか。期待通りの回答になりましたでしょうか^^ 他にも気になる質問があれば是非ご連絡くださいね。