「提案する・申し出る」という際に使うsuggest使い方、現実志向、未来志向の違い
皆さんこんにちは。マリです。今回の記事は当サイトの読者の方から頂いた「提案する・申し出る」という際に使う「suggest」というに関する質問に答えてみたいと思います。
この「suggest」という動詞は「提案する・申し出る」という意味になります。しかし、一緒に使う動詞の形によっては微妙な時制のニュアンスが変わります。
これは少し難しい英文法なので、できるだけ丁寧に詳しく実際の使い方の例文も交えて説明していきたいと思います。それでは、実際に頂いた質問はこちらになります。
読者の方の質問:
「~を提案する」という表現に相当する英語に次の言い方があると理解しています。
「外食にしようよ」なら、I suggest eating out. でもI suggest we eat out. でも同じ意味になるのでしょうか。
参考書によると、eating outのような動名詞は「現実志向」でto eat outのような不定詞用法は「未来志向」と説明されています。
また、I suggest we eat out. は「仮定法現在」で、相手が提案を受けるかどうは不確定、と説明されています。
どうも上の2つの言い方が同じ意味になるとは思えないのですが、どのように考えればいいのでしょうか。
まずはご質問ありがとうございます。そして、当サイトをご覧いただきましてありがとうございます。確かにこの文法の扱い方は難しいですね!
この「suggest」の扱い方が難しい理由の1つに「微妙な動詞の変化によって文章の意味と時制が変わる」という事が関係しています。
まず、この質問に答えるために「suggest」のそれぞれの使い方を詳しく紹介したいと思います。そして最後に「suggest eating」と「suggest we eat」の違いについて説明してみたいと思います。それでは、「suggest」はどのように使うべきなのでしょうか。
suggest + 名詞句という文法パターン
まず「suggest + 名詞句」というパターンは「何かをお勧めする際に使う文法」になります。例えば、「よいレストラン」や「受けるべき資格」や「リーズナブルな価格で泊まれるホテルの名前」などの名詞句と一緒に使います。
そうすることによって、自分で物事を進めたり、人にアドバイスを与えたりすることができます。そして「過去形の文章」でも使う事ができます。「suggest」の過去形は「suggested」となります。「suggested」を使った場合には「過去に勧めた事」を表現する事ができます。
文章の説明だけでは分かりづらいと思いますので、実際の英語ネイティブの「suggest + 名詞句」という文法の正しい使い方をみていきましょう。
suggest + 名詞句の使い方 例文
A: I’m looking for a good Chinese restaurant near here. Can you suggest anywhere?
(私はこの近くにあるおいしい中華料理屋を探しています。お勧めのレストランはありますか。)
B: Yes, I suggest the Dragon Palace, near the station. The dim sum is delicious!
(はい、駅の近くの「ゴールデン・ドラゴン」というお店はお勧めです。ディムサムはおいしいですよ!)
A: I’m thinking of taking an English exam next year. Which do you think I should take?
(私は来年に英語の試験を受けようと考えています。どの試験を受けた方がよいと思いますか。)
B: I suggest TOEIC. It is good for business English.
(TOEICはお勧めです。ビジネス英語に良いからです。)
A: Have you ever been to Hawaii? I want to go but I don’t know which island to choose.
(あなたはハワイに行った事がありますか。私は行きたいですが、どの島を選べよいのか迷っています。)
B: I’ve been many times! I suggest Maui because of its beautiful scenery.
(何回も行った事がありますよ。私はマウイ島をお勧めします。何故なら景色がとても美しいからです。)
suggest + 動名詞という文法パターン
次に紹介する「suggest + 動名詞」は先程紹介した「suggest + 名詞句」と同じ文法になります。しかし、「動詞」が使われていますので「名詞句」を作るため単純に「動詞ing」という形を使っているだけです。
この文法は「何かをお勧めする」という際「何かを提案する」という際に使います。このパターンでは、代名詞(you, he, she, weなど)は必要ありません。何故なら「文脈で誰が”○○をする”」という事が分かるからです。
読者の方がおしゃった通り、この文法は「現実志向」的なニュアンスを与えます。例えば、相手が具体的にアドバイスを求めている際に使う文法です。
多くの場合、この文法パターンは過去形になります。つまり、過去にお勧めしたことや提案した事を表現する文法となります。
それでは、文章の説明だけだとイメージしずらいと思いますので、実際の英語ネイティブの使い方を覚えるために例文で確認してみましょう。
suggest + 動名詞の使い方 例文
A: What did you have for dinner yesterday?
(あなたは昨日の夕食は何を食べましたか。)
B: Well, I suggested eating out but my wife said she wanted to cook. She made spaghetti.
(えーと、私は外食しようと提案しましたが、妻は料理したいと言いました。妻はスパゲッティーを作ってくれました。)
A: I’m going to London on a business trip tomorrow. What’s the best way of getting there?
(私は明日出張でロンドンに行く事になっています。一番良い行き方はどういった方法なのでしょうか。)
B: I suggest taking the train. The roads near London are always congested so it takes ages going by car.
(電車で行くことをお勧めします。ロンドンの近くの道路はいつも混んでいるから車で行くとすごい時間かかりますよ。)
A: What’s the quickest way to learn English?
(英語の一番早い覚え方は何ですか。)
B: I suggest memorising sentences instead of doing grammar drills.
(文法ドリルをする代わりに文章で覚える事をお勧めします。)
suggest + that + 動詞の原形 文法パターン
最後は、「suggest + that + 動詞の原形」という文法パターンを紹介したいと思います。これは「仮定法現在」(英語:subjunctive mood)という文法です。この文法も難しくわかりづらいですね。
この「仮定法現在」とは「希望」、「提案」、「将来の夢」のことを表現する文法になります。英語の「suggest」、「wish」、「recommend」、「propose」といった動詞と一緒に使う文法になります。
仮定法現在の特徴としては、誰の話でも必ず「動詞の原形」を使う事です。もっと分かりやすくいってしまうと、単純な現在形の文章で三人称の場合には動詞の形が変わります。
例えば、「I go」 → 「she goes」といった動詞の変化が必要になります。しかし、「仮定法現在」の文法では「go」は「goes」になりません。「I suggest that she go…」という文法になります。
一般的にこの文法では「that」が必要です。しかし、カジュアルな会話では「that」を使わなくても大丈夫です。例えば、例にすると以下のようになります。
正しい使い方
- I suggest that we eat out tonight. 〇
- I suggest we eat out tonight. 〇
- I suggest that she eat out tonight. 〇
間違った使い方
- I suggest that she eats out tonight. X
「I suggest that she / he eats out tonight」は文法的に正しくありませんが、日常英会話ではこの文法はよく耳にします。
「仮定法現在」という文法パターンは少し「フォーマルなイメージ」なので正しく使う英語ネイティブは比較的に少ないと思います。
そして「suggest」を過去形にすると、「that 人 should eat out」というパターンを使います。しかし、「should」は必ず使わなければならないというわけではありません。
実は殆どの英語ネイティブは会話で「should」を抜きます。そして「should」を使う事はイギリス英語っぽい言い方です。ですので、アメリカ英語では「should」はあまり使われません。
- I suggested that she should eat out.○
- I suggested that she eat out. ○
それでは、実際の英語ネイティブの「仮定法現在」で使う「suggest」の使い方を例文でみていきましょう。
suggest + that + 動詞の原形の使い方 例文
A: What time do I need to get up tomorrow in order to catch the train?
(明日電車に乗るために何時に起きればいいと思いますか。)
B: I suggest that you get up at 5am if you don’t want to be late.
(遅れたくないなら、5時に起きればいいと思います。)
A: What did the doctor say about mum?
(医者はお母さんについて何を言いましたか。)
B: He suggested that she should exercise more.
(彼はお母さんがもっと運動すればよいとお勧めしました。)
A: I don’t know what job to do in the future.
(私は将来に何をすればいいのかわからない。)
B: If you are good at maths, I suggest you become an engineer. You can make good money in engineering.
(数学が上手だったらエンジニアになることをお勧めします。エンジニアリングは給料が高いからです。)
まとめ: suggest eating outとsuggest we eat outの違い
簡単に言ってしまうと「suggest eating out」と「suggest we eat out」は殆ど同じ意味、ニュアンスを与えるフレーズです。
どちらかというと「suggest eating out」の方がカジュアルで、より「現実志向的なニュアンス」を与えると思います。
そして、「suggest we eat out」はもう少しフォーマルな言い方で微妙に「未来志向的なニュアンス」を与えます。しかし、日常英会話では両方耳にしますし、ほとんどの人はあまり区別していません。
そして、「仮定法現在」という文法は英語ネイティブでも間違える場合が多いです。動詞の形を間違える英語ネイティブは意外に多くいると思います。
しかし、「ネイティブが使う英文法」と「日本の英語試験に出てくる英文法」は違うと思います(笑)。そのため、試験向けの勉強であれば、参考書に書いてある通りに「現実志向と未来志向」という違いを覚えておいた方がよいと思います。
ですが、英語ネイティブと会話をする際にはそこまで細かい部分を気にしなくても大丈夫です。日常会話では「suggest eating out」と「suggest we eat out」の違いは些細なことなので、多くの場合は誰も気が付かないと思います。
それではこれで以上になります。如何でしたでしょうか。頂いた質問にちゃんと答える事ができましたでしょうか^^。他にも気になる英語の質問があれば以下のページよりご連絡くださいね!