悲しいという意味の日本語の擬態語・擬音語は英語で何と言う?
私は中学校で働いていますので、日本人の若者のスラングをよく耳にします。特に今年、「ピエン」というスラングは何回も耳にしました(笑)。その言葉が気になった私は生徒たちに「ピエンってどういう意味なの?」と質問しました。
しかし、その意味を英語でうまく説明できない生徒が多かったので、今回の記事では「ピエンの英語の言い方」をご紹介したいと思います。皆さんもご存じのようにこの「ピエン」とは、主にSNSで使わるネットスラングになると思いますが、私が知っている限り日常会話でも使うようになっているようです。
それでは、「ピエン・ぴえん」は英語で何というのでしょうか。先ずはこの言葉自体ご存じない方もいらっしゃると思いますので、先に日本語の意味を紹介していきたいと思います!
「ピエン」ってどういう意味?
2020年の流行語である「ピエン」という言葉は”擬態語”で「泣いている」や「悲しい」という事を表現する言葉になります。
この擬態語は”鳴き声”の「ぴえーん」から来ているそうです。元々は日本の女子中高生のSNSやメール、メッセージの中で使われていた単語でした。特にインスタグラムで使われている事が多いそうです。
この「ぴえん」とは、絵文字と一緒に使う場合が多いです。特に「pleading face」と一緒に使われる場合が多いようです。
この絵文字は、ツイッターでは絵文字ランキングTOP3に入っているそうです。それでは、英語圏の国の人は「ぴえん」という感情を表現したい時にどういう言葉を使うのでしょうか?
「Don’t say that!」という意味になる「ピエン」の使い方
まず、最初にお伝えしておきたいのですが、「ピエン」を英語に直訳する事はとても難しいと思います。その理由としては、この言葉は色々な文脈やシチュエーションで使う事が原因です。
もし仮にピエンを英語にすると「シーンによって違う言葉を使う」ようになると思います。しかし、あえて最も近い表現を当てはめるとすると「Don’t say that!」が最も近い意味合いになると思います。
この表現は「それを言わないでよ!」という直訳になりますが、もっと上手に日本語にすると「悲しくて情けない顔」といった感じです。このような表情をしながら「ピエン」と言えば、そのようなニュアンスを与える事が出来ると思います(笑)。
それでは、実際の「Don’t say that!」のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。
Don’t say that 使い方 例文
A: I have to cancel our date tomorrow. I have to go to work.
(明日のデートをキャンセルしなきゃ。仕事があるから。)
B: Oh, don’t say that!
(ぴえん。)
A: If you carry on eating all that chocolate, you’ll get fat!
(大量のチョコレートを食べ続けると太ってしまうよ。)
B: Don’t say that!
(ピエン。)
A: Mrs Tanaka, the math teacher is leaving the school in March.
(数学の田中先生は3月に学校を辞めるんですよ。)
B: Don’t say that!
(ピエン。)
「Boo hoo!」という意味になる「ピエン」の使い方
「Boo hoo」(発音:ブーフー)は英語の擬音語で「鳴き声」を表します。しかし、英語ネイティブが「boo hoo」を会話で使った場合、それは「皮肉めいた」意味を表します。
つまり、「悲しくないのに泣いているふりをしている」といったニュアンスを与えます。しかし、文脈によって日本語の「ピエン」という意味として使える場合が多いと思います。文章の説明だけだと分かりにくいと思いますので、実際の使い方を例文で確認してみましょう。
Boo hooの使い方 例文
A: Are you going to wear that dress tonight? I don’t think that colour suits you.
(そのワンピースを今日着るの? あまりに合わないと思うんだけど。)
B: Boo hoo.
(ピエン。)
A: I’ve eaten all the cookies.
(私はクッキーを全て食べちゃったよ。)
B: Boo hoo!
(ピエン。)
A: It’s getting late now. I need to go home.
(もう遅くなっちゃった。俺は帰らないとね。)
B: Boo hoo! Stay a bit longer!
(ピエン。もう少し一緒にいてよ。)
「I’m so sad」という意味になる「ピエン」の使い方
次に紹介する「I’m so sad」はとても分かりやすい言い方だと思います。これを直訳すると「私はとても悲しいよ」という意味になります。
この表現をちょっと「情けない声」で言うと「ピエン」というニュアンスを与える事が出来ると思います(笑)。それでは、実際のネイティブのI’m so sadの使い方を例文で見てみましょう!
I’m so sadの使い方 例文
A: Why don’t we go to the zoo tomorrow?
(明日動物園に行こうよ。)
B: I checked and the zoo’s closed tomorrow.
(もう確認したんだけど、明日動物園はやっていないよ。)
A: Oh! I’m so sad.
(ピエン。)
A: Your dress is so cute! I want to buy the same one.
(あなたのワンピースは可愛い! 私も同じのを買いたい。)
B: It’s sold out.
(もう売り切れだよ。)
A: I’m so sad!
(ピエン。)
他の「ピエン」という意味になる英語表現・フレーズ
他にも「ピエン」というニュアンスを与えるフレーズがいくつかあります。例えば、下記のフレーズはニュアンス的に全て「ピエン」という意味として使えますので参考にしてみて下さい。
Don’t make me cry.
(私を泣かさないで。)
I’m heartbroken.
(私は悲しみに打ちひしがれた。)
I think I’m going to cry.
(私は泣いてしまうと思います。)
I’m upset now.
(私は今悲しいです。)
You’ve made me sad now.
(私を悲しくしたよ。)
まとめ:「ピエン」という意味になる英語
まとめると、「ピエン」という日本語の流行語・若者のスラングは英語に翻訳しにくいと思いますが、最も近い表現としては「Don’t say that!」が一番近いのではないかと思います。これを少し情けない声で言えば完璧です(笑)。
英語圏の国では日本と違い、このような「ギャルカルチャー」はないので、「ピエン」といったコンセプトは、はじめからないと思います。その気持ちを表現したいなら、SNSで絵文字だけで大丈夫だと思います(笑)。
他にもこんな表現が知りたい、英語のスラングに関するこんな事を質問したいといった疑問がある方は、是非当サイトの英語ネイティブ達ご連絡くださいね! 必ず質問に答えます!
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