アメリカ英語で秋という場合、イギリス英語で秋という場合には言い方が違う?
今回の記事は英語で”秋”という場合に「fallとautumnのどちらを使うべきなのか?」、「fallとautumnの違い」について英語ネイティブの視点で詳しく解説してみたいと思います。
一般的に英語ネイティブが「秋」と言う場合にはどちらの単語を使っているのでしょうか。まず「秋」は英語で「fall」か「autumn」という二つの言い方がありますが、皆さんはどちらの英単語を使っていますか?
実は、英語圏の国によって使っている単語が違います。そこで今回の記事では「fall」と「autumn」という二つの単語の語源を紹介し、その後に英語圏の各国の使い方を詳しく解説します。
そして、その際に例文を通してネイティブっぽい単語の使い方も紹介していきます。
fallの語源について
「fall」は現在、主にアメリカとカナダで使われている単語ですが、実は元々イギリス英語の単語でした。
秋という意味の「fall」は16世紀頃に初めてイギリスで使われるようになりました。「fall」という単語は元々「落ちる」という意味です。ですから、季節の「fall」は「葉っぱの落ちる季節」(fall of the leaf)という表現から来ています。
何故「fall」はアメリカ英語になったのか?
そのために、アメリカ英語の「fall」は元々、アメリカに渡ったイギリス人が持って行った単語です。以上の事から、現在アメリカ英語では「fall」が最も使われる単語になりました。
一方、イギリスでは「autumn」という単語がフランス語からやってきました。「autumn」という単語はイギリスで「fall」よりも好まれて、最終的にイギリス英語では「秋」という場合に「fall」を使う人はいなくなりました。
以上の事から、現在ではイギリスで「fall」という単語はアメリカ英語の単語だと考えられています。それでは、実際の使い方を例文でみてみましょう。
「fall」の例文
Fall is my favorite season.
(私の好きな季節は秋です。)
My daughter was born in fall.
(私の娘は秋生まれです。)
Fall in Japan is very beautiful.
(日本の秋はとても美しいです。)
I want to go to Kyoto in fall to see the colors.
(私は秋に紅葉を見るために京都に行きたいです。)
My town has a harvest festival in fall.
(私の町は秋に収穫祭を行っています。)
autumnの語源について
「autumn」という単語は15世紀から16世紀くらいのフランス語の単語「automne」が語源になっています。しかし、イギリスで18世紀くらいまで、秋という場合に「fall」の方が一般的でした。
しかし、当時のイギリス国内ではフランス語(外来語)の単語にはお洒落なイメージがあったということから、18世紀以降は「autumn」が最もよく使われるようになりました。
その結果、「fall」という単語を使っている人は殆どいなくなりました。現在のイギリス人は秋という場合に必ず「autumn」という単語を使います。
イギリス以外の英語圏の国は秋という場合は何という?
イギリスだけではなく、他の英語圏の国も「autumn」を使います。例えば、オーストラリア人は殆どの場合、「秋」という際に「autumn」という単語を使います。同じく、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカなどの国も「autumn」を使います。
アメリカ英語の日常会話では「fall」が使われていますが、「autumn」を一切使わないというわけでもありません。
例えば、アメリカの新聞記事、小説などを読むと「autumn」という単語が出てきます。アメリカ英語では「autumn」は「fall」よりも「理想的なイメージ、ロマンチックなイメージ」を与えるような単語として使われています。
「autumn」の例文:
Do you have any plans for autumn?
(秋に何かの計画がありますか?)
I’m going to Scotland in autumn.
(私は秋にスコットランドに行きます。)
My garden looks beautiful in autumn.
(私の庭は秋にとても美しいです。)
This flower blooms in autumn.
(この花は秋に咲きます。)
Is autumn in the UK cold?
(イギリスの秋は寒いですか?)
その他の「autumn」の使い方「autumnal」
「autumn」は名詞ですが、「autumnal」という秋を表す形容詞もよく使われます。この形容詞は「秋っぽい」、「秋の」、「秋を思わせる」という意味でネイティブに広く使われています。
ちなみにこの単語自体は、イギリス英語だけではなく、アメリカ英語でも使われています。
「autumnal」の例文:
Today’s weather is very autumnal.
(今日の天気はとても秋っぽいです。)
I like the colour of your dress. It’s very autumnal.
(あなたのワンピースの色はとても素敵ですね。秋を思わせる色です。)
Tomorrow is the autumnal equinox.
(明日は秋分ですよ。)
I sent my grandmother some autumnal flowers.
(私はおばあちゃんに秋の花を送りました。)
I love autumnal food.
(私は秋の食べ物が大好きです。)
「fall」と「autumn」の違いに関するまとめ
「fall」と「autumn」の違いを簡単にまとめると「fall」と「autumn」は両方とも「秋」という季節を表す単語です。しかし、現在「fall」は主にアメリカとカナダで使われている単語です。
そして「autumn」は他の英語圏の国でも使われています。結局、双方の単語は英語圏の国中で通じますが、イギリス人との会話では「秋」という場合に「autumn」を使った方が良いと思います。
それは、何故なら現在のイギリス人は「fall」という単語を使う人が殆どいないという理由からです。